2017/07/10 19:20

よく人から「変な知り合いが多いですね」と言われるが、人間研究というヘビーでハードなワークをしていると一風変わったエピソードをお持ちの方と知り合うことが多い。もちろん公の場では明かせない話も多数ある。

しかし、生きていく上で、正規のルート以外の方法で凌げることも多くあり、彼らはその方法やヒントを教えてくれる。

断っておきたいのは、彼らは異常ではない。いわゆる普通と呼ばれる人達と手段や思考が少し違うというだけである。そもそも人間研究において、正常と異常、日常と非日常の境界はもの凄く難しい。いろんな人の話を聞けば聞くほど誰が正常で何が異常かわからなくなってくる。

以前、Kさんという知り合いが、ヤクザ絡みでえらい目に遭ったと言っていた。Kさんは運送屋をやっている人で、その日、昼メシを食おうとラーメン屋に行ったらしい。そのラーメン屋は駐車場がなく、店の前に路上駐車をするスタイルらしく、何台か停まっている車の間に縦列駐車をした。

そして、食事を終え車に乗り込んでエンジンをかけようとすると、黒塗りのベンツがKさんの車の前15センチぐらいに停めた。後ろにももちろん車が停まっており、Kさんは出発できない。

スーツの襟に何らかのバッジがついた人と、スラックスにトレーナーの人が降りて来たので、Kさんは窓を開け

「あのー・・・」

と声をかけるや否や、

「何じゃ!!!」

とスラックスのパンパーが凄んできて、そのままラーメン屋に入ってしまったらしい。仕事を再開しなくてはイケナイ。パンパーとその兄貴分(予想)を待っている時間はない。しかし呼びに行っても恐らく動かしてはくれないだろう。

皆さんならこんな時どうするだろうか?

その時にKさんが取った行動はまさに驚愕に値するものだった。

「ゆっくり押したらな、動くねん」

Kさんはエンジンをかけ、ギヤを1速に入れると、そのまま前進。ヤクザのベンツを押して動かしたのである。いくらゆっくりでもキズはいってるハズである。しかし、そこは元々デタラメな男。そのまま何事も無かったかの様に配達へ向かったらしい。

人生には「うーん、どうすっかなー」という状況は常に出てくる。その度に慌てふためきオロオロしているようでは悪い人達にカモにされるばかりである。どんな状況でも必ず突破口はある。大事なのは考えるのをアキラメないことと、実行する勇気。そして少しのユーモア。

Kさんの話からまた一つ大事なことを教わった。