2017/09/06 21:54

帝王高山の頚椎完全損傷のニュース。リハビリをやっているらしいが首から下が全く動かないとのこと。
テレビ出演や飲食店の経営など、サイドビジネスをやっているが、プロレスラーも自営業。体が動かないと収入が断たれる。
現在DDTの高木社長や鈴木みのるが動いて、プロレス界で彼を救うべく募金や支援団体を立ち上げるなどの輪が広がっている。試合は無理でもせめて動けるようにはなってほしいものである。
困った時に助けてくれる友人はとてもありがたい。僕はいろいろやっているせいか、友人は多い方だと思う。バカもカシコもクズも真人間も選り取り見取り。しかし困った時に相談するのが苦手なので、助けてもらったことは少ない。しかし、救われたと思ったことはままある。

当時アメリカ村にあったライブハウスで働いていたMという男がいた。彼は中学の頃から土方をやっていて、悩んだことがないという。落ち込むという感情が分からないと首をひねっていた。天性のイケイケドンドンである。
その時僕は非常に荒んでいたため、そのライブハウスで痛飲していた。ライブが終わり、Mとブッキングマネージャー、そしてもう一人の友人の4人で飲みに行く事になった。適当に入ったバーは、ダンススペースのある外人8割の店だった。
しばらく飲んでいると、酔っ払ったMがフラフラとダンススペースの方へ歩いて行く。事件の予感。しかし僕も荒れているのと酔いの混合ガソリンツインスパーク。Mが起こすであろう事件を期待しながらその背中を見守っていた。するとMは白人男性と絡みつくように踊っている日本人女性に近づき、おもむろにケツをワシ掴んだ。その女性は条件反射で振り返りざま、
「ストップイット!」
と叫んだ。僕とその女性以外は何が起こったかわからず、呆然としている。Mは慌てることも逃げることもなく、
「ストップイットやってよー!ガハハハ!」
と笑っていた。女性と踊っていた外人が英語で何やら話しかけていたが、Mに英語がわかるハズもない。
「お前ら戦争に勝った思てでかい顔すんなよ!」
と持っていた傘で外人の頭をつついていた。
ブッキングマネージャーのTさんがMにパンチを入れ、女性と外人に「ごめんねー」と言いながら店から連れ出しゲームオーバー。店を出る階段を降りる時にはMはガハハと笑っていた。パンチされたことも忘れているようだった。

その姿を見ていると落ち込むのがバカバカしくなるほどのバカというのは確実に存在する。幸せになりたければ鈍くなるべきである。いろんなことに気付き、悩み、苦しむことは幸せから遠ざかる。もし落ち込んだり悩んだりした時はぜひ強烈なバカと飲みに行く事をオススメする。救われること請け合いである。