2017/10/19 02:35

いい映画やマンガや小説などにはすばらしいワンシーンがある。

うーんと思いながら観ていても、そのワンシーンで全てがアリになったりする。そしてそういうワンシーンはいつまでも忘れない。


赫い髪の女という映画を見た。

にっかつロマンポルノの最高傑作との呼び声も高いが、観るのは初めてである。
内容は、トラック運転手の石橋蓮司が道端で女性を拾い、同棲するようになるというもの。そこから愛欲にまみれた日常を描いているのであるが、ある日、同僚の阿藤海にその女性を抱かせてやると約束してしまう。
「嫌や!こんなん嫌や!」拒む女。
その様子をアパートの廊下で見ている蓮司。
「最初は嫌やて言うんや」
そう言いながらも自分勝手な展開を期待する蓮司。しかし女は
「ああ!ええ!優しくしてや」
蓮司は子供用の三輪車に乗って走り出す。
「や・さ・し・く・してや、かー!」
全ての女性不信者の心を打ち抜くワンシーン。ありきたりな恋愛映画には描けない、哀しみと性欲がそこにはあった。そして人間はセックスするタメに生きていると思い知らされる作品である。